悩まされる人が多い膝の痛み!患者さんから望まれている最新治療を紹介
第三の方法として脚光を浴びるAPS療法
近年、膝の痛みを緩和する新たな再生医療としてAPS療法が注目されています。
APS療法とは、患者本人の血液から抗炎症性のタンパク質が濃縮されたAPS(自己タンパク質溶液)を抽出し、患部に注入する治療法です。PRP(多血小板血漿)を遠心分離してAPSを抽出することから次世代PRP療法とも呼ばれており、炎症の抑制や組織の修復によって変形性膝関節症の進行を遅らせる効果があります。自身の血液を使うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが小さいのがメリットです。
自己脂肪を使った幹細胞治療
患者本人の脂肪に含まれる幹細胞を利用した幹細胞治療も、体への負担が少ない再生医療として広まりはじめています。
この自己脂肪由来幹細胞治療では、採取した自身の脂肪から抗炎症作用のある幹細胞を抽出・培養して増やし、体内に戻します。期待できる効果は痛み・腫れの軽減や、損傷した組織の修復で、変形性膝関節症をはじめとするさまざまな膝痛の治療に有効です。自身の細胞を使うため、APS療法と同じく副作用の可能性はほとんどありません。
最新治療を受けられるクリニックは限られる
ここまで紹介したAPS療法や自己脂肪由来幹細胞治療は最先端医療であり、国内で対応しているクリニックは限られます。法規制や高額なコストなどの理由で、導入が難しいためです。対応していたとしても、在籍する医師の能力や設備の充実度が治療の成功率を左右するため、信頼できるクリニックを選ばなければいけません。
できるだけトラブルを防ぐには、説明書・同意書をよく読んで医師としっかり相談したうえで治療を受けることをおすすめします。