膝の再生医療は効果なし？最新研究で明らかになった真実とは
再生医療が期待される膝のトラブルのメカニズムとは
再生医療は、従来の保存療法や手術とは異なる形で膝のトラブルを解決することが期待されています。
膝の痛みの主な原因は、膝関節のクッションとして機能する軟骨がすり減ることで起こる、骨同士の接触や炎症です。再生医療では、すり減った軟骨を再生するために患者本人の幹細胞や血液を使って自然治癒力を高めるため、最小限のリスクで根治に近い状態まで回復できる可能性があるのです。さらに注射のみで治療できるので、持病などで手術が受けられない人からも注目されています。
実際の治療効果は？再生医療の限界と課題
再生医療は画期的な治療法ですが、全ての人に効果があるわけではありません。これまでの臨床データによると、再生医療を受けて膝痛の改善効果が見られた確率は約60～80％です。また痛みが和らいだとしても、期待していたほどの効果ではなかったという事態も考えられます。効き方に個人差がある理由ははっきりしていませんが、症状が進行しすぎた人や肥満の人は効果が出にくいといわれています。
また、現在は重篤な副作用が確認されていないとはいえ、長期的な治療データが少なく将来的なリスクは否めない点も課題です。
再生医療の選択は専門医による適切なアドバイスが必要
効果に限界があるとはいえ、薬物療法や運動療法が効かなかった人や手術が難しい人にとって、再生医療が新たな選択肢となることは確かです。そこで再生医療を検討する際は、専門医のアドバイスを聞いたうえで判断することを強くおすすめします。
まずは、厚生労働省に許可されて膝の再生医療を提供している整形外科に相談し、MRI検査などで改善の見込みがあるか診断を受けましょう。同時に痛みの原因を特定し、適切な治療法を提案してもらえます。
